モテるワイン・マナーその2
最初に明るく言葉を交わそう

 私が懇意にさせていただいている、『経営者の肖像』『産業人魂』などで知られる写真家・海田悠さんのアトリエで乾杯をしたときのこと。彼が私の目を見つめて、さらりと言ったフレーズに心躍りました。「いつも美しい貴女に乾杯」と言ったその瞳には、76歳になる彼の色香が漂っていたのです。

 とまあ、これは最高峰の乾杯の仕方です(笑)。この領域に到達しなくても、ほんの少し勇気を振り絞ってみるだけでも違うと思います。

 まずは慣れるために、講座の生徒さんにも、乾杯のフレーズの実演をしてもらっています。先日は、「10年ぶりのデート」というお題で乾杯しました。

「何に乾杯する?」
「運命の再会に!」

 こんなふうに、最初に明るく言葉を交わすだけで、その後の会話も弾みやすくなります。もちろん、しっかり相手の目を見ることが大切です。

「乾杯のマナーは分かったけど…そもそも、どんなワインを選べばいいの?」と思っている読者も多そうですね。まずは私が経験したNG例からご紹介します。

 あるレストランで食事を共にした男性が、ワインリストをソムリエから手渡されるやいなや、「この店で一番高いのを持ってきて」と言い放ったことがありました。これには心底がっかり。思わず、「高けりゃおいしいってものでもないでしょ!」と心の中で叫んだほど。

 もしかしたらその男性は、そうした振る舞いこそスマートだと思い込んでいたのかもしれません。けれど、相手の女性(私)にも、そしてソムリエにも最悪の印象を与えたことは確かです。その言葉には私に対してだけでなく、ワインに対してもリスペクトをみじんも感じることができなかったからです。

 それでは、女性と二人で食事する際、どんなワインを選べばいいのでしょうか?