モテるワイン・マナーその5
色を見て、香りをかいでみよう
不健全なワインとはずばり、濡れ雑巾のようなカビ臭いにおいがするワインです。これをワイン用語で「ブショネ」(フランス語)と言います。このにおいの原因は、トリクロロアニソールという物質で、塩素系物質と青カビが反応したときに発生します。ワインのコルク栓に欠陥があるときに起こりやすいといわれています。
多くの一流レストランでは、この儀式をソムリエが行いますが、ご自身でホストテイスティングをして異臭がすると感じたら、「このワインは、こういう香りがするものですか?」と質問しましょう。「このワイン劣化していませんか?」と聞くより断然スマートです。
さて、先ほどは乾杯のフレーズを紹介しましたが、乾杯時のマナーでしばしば、「グラスを鳴らしてもいいですか?」と質問されます。ワイングラスは色や香りを楽しむためにグラスの縁が非常に薄く作られています。なので、フォーマルな社交場では、ワイングラスを軽く持ち上げるだけ(鳴らさない)の乾杯がマナーといわれています。
とはいえ、欧米の映画などでも、グラスを鳴らすシーンは多々登場します。ヨーロッパでは昔、グラスを鳴らすことで「悪魔ばらいをする」という風習もありました。何より、グラスとグラスを合わせるときに奏でられる音はとてもステキですよね。
乾杯の後は、すぐにグラスに口をつけるのではなく、外観の色を見て、香りをかいでみましょう。この仕草をするだけで、ワインに対してちょっと詳しい人かどうかが分かるというものです。濁りがないか、透明度はどうか、粘性があるかどうかをチェックします。粘性がある場合は、アルコール度数が高いワインといえます。
ワイングラスを斜めに傾けて戻すと、グラスの壁面を伝ってワインが下に落ちていくのが見えるでしょう。これを「ワインの涙」や「ワインの脚」などといいます。表面張力でアルコール分が水分を包みこみ、まるで涙が流れ落ちていくように見えることからこう呼ばれるようになりました。ワイン用語って、美しいと思いません?