気温や天候変化による
お客様の行動の変化をデータ化

 降雨や降雪は人が外出するのを嫌がる理由の上位に入ります。みなさんも実感があると思います。実際の商売の現場では、翌日が雨予報の時には、仕入れや仕込み数量を調整することで、来店数の減少に対応しようとします。

 これらの気温や天候変化で、お客様の行動がどのように変わるのか、また実際にどのように変わったのかなどを数字(データ)にしておくことで、お客様の動きが数字に表れるようになります。その数字の事実を使って、アイデアをつくっていくのです。

「数字の変化」の裏には、必ず「お客様の心理の変化」があります。

「雨だから外出したくない」「猛暑だから出かけたくない」というのも心理の表れです。

 同じ晴れ間でも、梅雨の晴れ間であれば貴重さが加わり、心理的にプラスに作用するものです。ほかにも、正月や卒業、入学や就職、転職、結婚などのいわゆる「ハレの日」でも、人の心理は大きく変わります。

 自分が対象とするお客様はどういう心理状況なのか?

 そのお客様心理と照らし合わせてアイデアを練り直すことが大切です。

 私が、総合ベーカリーチェーンの経営立て直し支援で行なった実例を紹介します。

 もともとこのチェーンは、売上の下落に歯止めがかからない状況でしたが、夏場はさらに厳しさを増します。唾液がパンに吸い取られるような印象があるのか、夏はパンが売れないのです。夏場をどう乗りきるかは死活問題でした。

 そこで注目したのが気温です。「25度になるとアイスクリームが売れる」という一般論を応用してみました。