“社内広報活動”で、社員のコミュニケーションを活性化させるには…

健康経営に注力する企業が増えているなか、法人向けに健康管理ソリューション「Carely(ケアリィ)」を開発・提供する株式会社iCAREが、今年(2023年)2月、これまでマーケティング部門にあった広報チームを人事部門に移した。人的資本経営の時代、社内情報を広報メンバーがしっかり汲み取り、“人を起点とした情報”を社内と社外に発信していくことに価値を見出しているという。前職や異動前のキャリアを生かしながら、3人の育児と仕事を両立させる、同社People Experience部(人事総務部)の呉美里氏(広報PRチーム リーダー)に話をうかがった。(ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/菅沢健治)

ミャンマーでの育児経験からの職場復帰と転職

 新卒で株式会社リクルートに入社し、フリーマガジン「HOT PEPPER」事業に配属された呉さん。広告営業から記事制作まで、毎月最大100件ものクライアントを抱え、入社年度には四半期「個人準MVP」、グループやチームの年間表彰も受賞。その後、企画や制作仕事により深く携わりたいという思いから、健康情報誌を手がけるメディア会社に転職。セールスプロモーションや健康啓発イベントの企画運営などに尽力するなか、結婚・妊娠の転機を迎えた。

 夫がミャンマー駐在となったため、日本に残って1人で子育てをするか、ミャンマーに帯同して現地で子育てをするかに悩みました。結局、育休を取得してミャンマーに行き、現地で2人目を授かったので、約2年半、ミャンマーで子育てに明け暮れました。医療インフラがさほど整っていない国なのでなかなか大変でした。

 帰国し、仕事に復帰して、広報の立ち上げやオウンドメディア運営といった仕事で呉さんの毎日は充実していたが、コロナ禍の2021年にiCARE(*1)への転職を決めた。職場を変えた理由には、幼い子どもを育てながら仕事に打ち込む呉さんだからこその、健康や働き方に対する思いがあった。

*1 株式会社iCARE 本社:東京都渋谷区恵比寿 代表者 山田洋太 設立2011年6月 従業員数147名 (2023年4月時点)

 転職の理由は3つありました。1つ目は、(前職で関わっていた)雑誌メディアというBtoCの形態では、健康情報を発信しても関心層以外にはあまり届かず、もどかしさを感じていたこと。無関心層に健康情報を発信する方法を考えていたときに、iCAREのBtoB事業を知りました。2つ目は広報という職種をもっと極めたかったこと。3つ目は、子育てと仕事を両立させなければならないからこそ、働く時間の濃度をもっと上げたいと思ったこと。そのために、育児と仕事を両立させている社員がまだいないスタートアップ企業(iCARE)が私に適していると思いました。前例がなければ、会社側と私が相談しながら、社員みなさんの今後のサンプルとなる働き方をつくっていけますから。

“社内広報活動”で、社員のコミュニケーションを活性化させるには…

呉美里 Miri OH

株式会社iCARE
People Experience部(人事総務部) 広報PRチーム リーダー

大卒後、株式会社リクルート入社。美容・飲食などのライフスタイル領域に配属され、集客媒体の広告やPOSレジアプリの導入営業、新人育成などを経験。全国部署横断のダイバーシティ推進委員としても奔走。その後、女性向け健康情報誌の出版・編集プロダクションへ入社、大手ナショナルクライアントの販促・ブランディング、自治体の健康啓発PJに携わり、製造拠点の取材なども経験。2児の育児休業をミャンマーで過ごした後、広報立ち上げ、ブランドリニューアルを経験し、2021年にiCARE入社。マーケティング部に配属後、2023年2月より現職。プライベートでは3児の母。