健康情報とコーヒーで一服する「Ippuku Stand」

 社内コミュニケーションの活性化――その施策として、たとえば、今年(2023年)5月から始まった、社員どうしのコミュニケーション促進と健康増進を目的にした「Ippuku Stand」がある。「ちょっと一服」という意味合いのネーミングどおり、社内共有スペースでコーヒー片手に参加できるワークショップだ。毎月1回の開催で、社員20〜30人が仕事の合間を縫って参加しているという。

「Ippuku Stand」は、普段は顧客の健康を支援する保健師などの専門家チームが、自社の社員むけにノウハウを応用し、広報も含めた人事総務部と連携して運営している企画です。参加者が現役バリスタの保健師が淹れるコーヒーを飲みながら、“一日店長”となる何らかの健康づくりのプロ(管理栄養士や理学療法士、キャリアコンサルタントなど)の社員と一緒に、健康について考えます。たとえば、自分のストレス状態や食生活をチェックするなど、各回30分程度の短い時間ですが、コーヒーで一息つきながら、みんなが健康を意識する時間になっています。また、現在、弊社は、大半の社員が「原則、週一日出社」のリモートワークですが、リモートワークでは自社や社員間のつながりが感じづらく、エンゲージメントの下がる社員が出てきたり、クリエイティビティやイノベーションを生み出す風土が薄まったりしがちです。「Ippuku Stand」は、社員が出社する動機になり、また参加を通して自社のパーパスを理解する機会にもなり、働く動機付けとしても期待ができる施策です。

 広報チームは、こういった社内のイベントを、Carely(*4)の導入を検討する企業など、外部にも発信を試みている。

*4  「Carely」は、株式会社iCAREが開発・提供する産業保健・健康経営のソリューションサービス。健康データ(健康診断・ストレスチェック・産業医面談など)の一元管理する健康管理クラウドや専門家による人的サービスを提供。業種・規模を問わず、490社以上に導入されている。

 ひとつの企業の健康経営の施策例として発信することで、健康課題はあるがどう進めれば良いかわからないといった企業の人事部門の方の役に立てればと思っています。iCAREという企業が自社社員の健康にどのように向き合っているのかをステイクホルダーの方々に知っていただくことは、弊社の専門性や特長を理解していただくと同時に、ファンになっていただくきっかけになると思っています。