そこでわたしが、「わたしの財布には、500円玉が1枚あって、100円玉が3枚、10円玉が3枚、1円玉は1枚あって、831円ありますよ」と、パッとお財布を開けて見せたら驚かれました。

「だって、お金は大切ですから」とわたしが答えると、「そんなことを知っている人はほとんどいませんよ」とひと言。

 実際、稼いでいる社長に同じ質問をしてみても、誰ひとり答えられませんでした。「お金は大切だよ」と教えている親や先生でさえ、すべてのお金を把握している人がいなかったのです。

 まず、お財布にある金額を1円単位まで知っておきましょう。これだけでもお金への向き合い方が変わりますよ。だまされたと思ってやってみてください。

 子どもひとりを大学まで行かせるためには、平均2000万円かかると言われています。その後、社会に出て社員1万人の会社に入社したとします。その会社では、毎月いくらのお給料が支払われているでしょうか。

 このように考えると、自分の生活がたくさんの人たちの上に成り立っているかがわかります。このことに感謝できたときにはじめて、「1円玉を大切にしよう」と思えるのです。

身の回りのものを大切に使う人に
チャンスやお金は集まってくる

 自宅では使わない電気は消すのに、出張先のビジネスホテルでは電気をつけっぱなしで外出していませんか?

 もし、あなたがそこで働いている人のことを考え、電気を消したり、備え付けの歯ブラシを必要な分だけ使うように心がけていれば、経費を削減することができます。少しでも利益を出せば、そこで働く人のお給料が上がるかもしれません。あなたの会社と同じことが、そのビジネスホテルでも起きているのです。

 ところが、これをできる人はなかなかいません。「損したくない」「使えるものは使ってしまおう」と、自分のことばかりに意識が向いているのです。

 人を大切にしている人のところに、チャンスやお金が寄ってきます。自分の生活にかかわっているものすべてを大切にしている人が、本当の意味で「人を大切にしている人」です。