これは「お金は人のために使うもの」というお金の哲学とは正反対のことをしてしまっているためです。

「自分のためだけの投資」は、誰かの役に立とうという気持ちがゼロですから、最終的にうまくいくことは少ないでしょう。

 では、自己投資はどうでしょうか?

 あなたは自分を愛していますか?自分を愛するということは、じつは一番の自己投資です。

 ストレスを感じているとき、美しい景色を眺めたり、おいしいものを食べたりすると気持ちが安らぐのではないでしょうか。

 投資と聞くと、お金も時間もたっぷりかけることと思いがちですが、そうではありません。庭に咲いている花をゆったり見ることも、立派な投資のひとつ。

 身近なもので自分を豊かにしようという気持ちこそ、自分への投資なのです。

 生きていれば、いろいろなことがあります。嫌なこともたくさんありますよね。自分への投資は、そういったいろいろなことへのごほうびです。自分を愛していれば、自分を慈しむ時間を持とうと思うものです。

「子どものことが優先で、自分の服はもう何年も買っていない」というおかあさんの話も聞きます。そんな人こそ、年に1回は、新しい服を買ってほしいのです。

 子どもが大人になったとき、おかあさんが自分のせいで5年も10年も服を買っていなかったと知ったら、きっと「申し訳ない」という気持ちになるのではないでしょうか。

 自己犠牲は、「こんなにやってあげたのに」という見返りの気持ちも生んでしまいます。こうした上から目線のお金の使い方は、結局のところお金から嫌われてしまうのです。

 一方、自分にお金を使いすぎるのもよくありません。

 何事もやりすぎは禁物。栄養価のある食べ物も、一度に5杯も食べたら身体を壊しますし、過度な運動は、身体を痛めます。

 自分への投資も、いきすぎるとマイナスの現実を招いてしまうのです。

 もし、どうしても「自分へのごほうびをしないと前に進めない。でも最近自己投資しすぎているかも」という感覚があるときは、まわりの人にもシェアしてあげてください。

 たとえばお花を一輪買って帰ろうと思ったら、友人を部屋に招いて「一緒に見ましょう」とお茶に誘うのです。

 自分へのごほうびが、そのままシェアする喜びに変わるような自己投資はおすすめです。自己投資は自分を愛すること。その喜びを誰かと共有できるようになると、なおいいですね。