怒りが爆発する前まで、あなたはたくさんのことを我慢してきたのではないでしょうか。
 特に何もないのに急に怒ったのではなく、我慢の限界が来て怒りが爆発したのではないでしょうか。

 もしそうなら、あなたは十分に我慢強い人です。

 さらには、怒りがコントロールできていないのではなくて、コントロールできないほどのできごとがあった可能性はないでしょうか。

 怒りの感情が爆発するのは、何かが限界に達した時。
 つまりあなたは、爆発するまで何度も怒りをコントロールしてきたはずです。

 あなたの我慢が足りないから、怒りが爆発したわけでもなければ、あなたが怒りっぽいわけでもありません。急激に爆発するような怒りは、過去から今に至るまでの蓄積です。

 だから、「感情がコントロールできていない」だなんて、自分を責める必要もありません。

我慢するよりも
怒りを小出しに

 骨が折れるようなけがをしてしまった人に、「次は、骨が折れないように頑張れ」なんて言いませんよね。
 まず必要なのは、折れた骨が回復するまでゆっくり休むことです。

 それと同じで、怒りの感情が爆発するほど我慢して耐えてきた自分を「よく今日まで頑張った」と認めたうえで、おいしいものを食べたり、ゆっくり休んだりして、心と体を回復させてあげましょう。

 あなたの我慢が足りないから、怒りが爆発したわけでもなければ、あなたが怒りっぽいわけでもありません。急激に爆発するような怒りは、過去から今に至るまでの蓄積です。

 だから感情の爆発を避けるためには、感情を抑え込まないこと。
 我慢しすぎないことが、大切です。

「大切な人の前で怒りの感情を爆発させたくない」と思えるあなただからこそ、怒りを小出しにしたり、自分の気持ちを伝えるようにしたりしましょう。
 我慢が減れば、怒りの感情をため込むことがなくなり、結果として怒りは爆発しにくくなります。

 怒りを無理に抑え込もうとしても、いずれまた爆発してしまいます。
 まずは小さな我慢を減らしてみてくださいね。

Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数か月待ちの超人気カウンセラー。
著書に『あなたはもう、自分のために生きていい』(ダイヤモンド社)などがある。最新刊は『悪いのは、あなたじゃない』(ダイヤモンド社)。X(旧Twitter)@Poche77085714

※本稿は、Poche著『悪いのは、あなたじゃない』(ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成したものです。