世界各国の政府・中央銀行の多くはドル依存から抜け出したいと考えている。だが、強制された場合を除けば、あまりうまくいっていない。国際通貨基金(IMF)が最近発表した統計によると、4-6月期の世界の外貨準備に占めるドルの比率は58.9%で、2020年10-12月期に初めて記録した25年ぶりの低水準からほぼ横ばいとなった。ドルは国際金融市場の基盤として機能しているが、近年はグローバル化への反発から「脱ドル化」論が勢いづいている。ロシアのウクライナ侵攻が既成の秩序に新たな打撃を与えて以来、ドル建て外貨準備は2.9%減少した。ドル相場が急伸したというのにだ。為替変動の影響を除けば、減少率は6.6%になる。