今何が起きているのか。米国に債券市場が戻ってきたのだ。米長期国債、とりわけ極めて重要な10年債の利回りが最近上昇して金融マスコミの大半は大騒ぎしているが、この利回り上昇の本当に重要な点は、債券市場が機能を取り戻したことだ。  この経済的大事件とそれが景気に与えるリスクを軽視しろということではない。しかし、約15年にわたる前例のない低金利と中央銀行がもたらした市場のゆがみのせいで、一部のコメンテーターは「正常な状態」が戻ってきたのを認識できなくなっている。  米国債10年物の利回りは今週、一時4.8%を超え、5日午後の時点では4.7%近辺となった。