中国の都市部に「日常的フェミニズム」の新たな波が広がりつつある。過去には政府が女性の権利擁護のうねりを弾圧したが、最近はそれをかわすように浸透し、伝統的な家族観の復活を狙う共産党指導部のキャンペーンを複雑にしている。この現象は予期せぬ形で表面化している。例えば、日本の社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子氏が中国で突然注目を浴びていることだ。日本の女性が被る不利益を分析した上野氏の著書は、中国で数年前までほとんど知られていなかったが、最近になってブームに火がつき、中国国内で計100万部以上が売れた。幅広い関心を呼んだため、同氏は中国有数の人気を誇る作家となり、「オーサー・オブ・ザ・イヤー」の候補者に名を連ねるほどだ。