企業や組織の垣根を越えた“越境体験”のプログラム
成熟企業で「イントレプレナー」を育む3つのポイントとして、「社員のwill(内発的動機)を起点にする」「新たな事業アイデアを生み出すための思考フレームと実践機会の提供」「失敗から学ぶ習慣や奨励文化の醸成」をお話ししてきました。私たち(michinaru)は、この3つの観点をベースに、10社以上の成熟企業が合同で行う“異業種・実践型イントレプレナー育成プログラム”を行(おこな)っています。複数社合同だからこその、異なる視点からの関わり合いやフィードバック、事業創造への好奇心が掛け合わさることで、和気藹々(わきあいあい)としながらも、よい緊張感があります。昨年(2022年)開催の当プログラムに参加された自動車メーカーの人事ご担当者は、「自動車という枠を超えた、これまでの延長線ではない事業アイデアを模索していたが、まさに旧来の枠を超えた事業アイデアを参加したメンバーが考案していて、たいへん興味深かった」というコメントを寄せてくれました。また、「仲間のアドバイスや意見のお陰で、最後には納得感と使命感を持って事業アイデアを練り上げることができた」という参加者からの感想もありました。
こうした声から、イントレプレナー覚醒への4つ目のポイントは、「企業や組織の垣根を越えた越境体験」と言えるかもしれません。
成熟企業におけるイントレプレナー育成とそのイントレプレナーによる新たな事業創りは、山あり谷あり、労力もコストも時間もかかるものですが、本稿が新たな事業を模索する成熟企業の人や組織創りのアイデアの一端になれば幸いです。