●収集の判断基準その1 ひらめきがあるか?
 心を動かすひらめきに満ちた引用、写真、アイデア、ストーリーを集めましょう。気持ちが切り替えられるもの、知らなかった新たな視点、モチベーションを高めてくれるようなもの。必要なときはそれらに目を通し、想像力を刺激するもの。

●収集の判断基準その2 役に立つか?
 雑多なものが意外にも、のちのちの仕事で重要なピースになることがしばしばあります。とくにひらめきは覚えないけれど、将来役に立ちそうな情報に出会ったら保存。

 統計、参考資料、研究結果、あるいは便利な図表なども保存対象です。

●収集の判断基準その3 個人的なものか?
 情報の中でもっとも収集価値のある種類の1つが個人的な情報です。

 自分の考え、考察、思い出、未来の自分へのいましめ――日誌や日記をつけるように、メモによって生活を記録すると、どうやっていまの自分があるのかをよりよく理解することができます。

●収集の判断基準その4 驚きはあるか?
 すでに知っているアイデア、すでに納得していること、あるいは推測できることばかり集めているという人をよく見かけます。

 人は自分がすでに持っている考えを裏づけるものを無意識に集める傾向があり、“確証バイアス”という典型的な脳のクセの1つです。

 現代テクノロジーへの道を拓き、情報理論の父として知られるクロード・シャノンは、“情報”とは驚きを与えるものであると簡潔に定義しました。

 いまの自分の理解力に収まらない情報には、人生を変える潜在力があり、「驚き」はそんな情報を判別する優れたバロメーターです。

 セカンドブレインをたんに自分がすでに知っていることを裏づけるための手段にしてはいけません。

 わたしたちはすでに、自分と同じ好みばかり流してくるアルゴリズムや、自分の信念を強化するだけのソーシャルネットワークに囲まれているのですから。

 自分の考えとは必ずしも一致しない、互いに相反するアイデアを保存すれば、さまざまなソースから多角的に思考する習慣が身につきます。