紙に書いて計算してみると、大皿の回転と揺れの速度は2対1の割合だとわかりました。深部で物理原則が作用していることを示す簡潔な関連性です。

「それがわかって何になる?」と同僚の物理学者たちに言われ、ファインマンはこう答えています。「別に重要な意味なんかないよ……。意味がなくたって、ちっともかまわないんだ。だけど、おもしろいだろ?」

 結果、彼は回転の背後にある方程式を調べることでついには重要な意味を見出し、最終的にはノーベル賞受賞へとつながる研究へつながりました。

 行く先など気にせず興味のあることを追うのがファインマン流のアプローチ。

「12の質問」をつねに頭に入れておき、読書や会話や日常生活でアンテナを立てておく。そうやって見つけた答えや関連性が、ほかの人からは天才のひらめきに見えるのです。

ヒントは「子ども時代」にある

「自分が昔から関心を持っている問題はなんだろう?」と考えてみましょう。

 わたしの生徒たちが教えてくれた質問の例を挙げてみます。

・過去のことをクヨクヨせず「いま」を生きるには?
・自分の中期的/長期的目標の立て方は?
・無分別な消費をやめるには?
・子どもを寝かしつけたあとテレビを観るのをやめて早く寝るには?
・よりエコで持続可能な事業を目指しつつ、収益も保つ方法は?
・仕事で責任が増えることへの不安を克服するには?
・特別な援助を必要とする生徒への支援を学校側が増やすには?
・溜まっている本を読み始めるには?
・スピードアップとリラックスを同時に行う方法は?
・もっと人々のニーズに応える医療制度を実現するには?
・もっと簡単に健康的な食事をするには?
・もっと自分の決断に自信を持つには?

 ここで重要なのは、1つの答えに縛られない(オープンエンドの)疑問にすることです。自分の好奇心を刺激する疑問を見つけること。

 ヒントは幼少期、自分が何に夢中になっていたか、ということにあります。

 じつは子どものころの興味は、大人になってもそれほど変わりません。

 それらにまつわるコンテンツで収集したものは、おそらく今後も価値を失わないでしょう。

 わたしが幼少期に夢中になったのはレゴでした。

 両親いわく、わたしのレゴの遊び方は変わっていて、ブロックを組み合わせるのではなく整理するのが好きで、形もサイズもばらばらの数千ピースものブロックを、色別、サイズ別、テーマ別と、新たな分類の仕方でまとめるのに熱中していたのだそうです。