最終的には、心揺さぶるものを収集する

ティアゴ・フォーテ(Tiago Forte) 著
ここまでの判断基準の中でもっとも大事な基準を1つに絞るとすると、「心に響くものをキープする」に尽きます。
理由は、チェックリストの分析にもとづいて「保存するかどうか」を決めるのは、それなりに手間とストレスがかかるからです。
知的な作業が面倒になってしまえば、いずれやらなくなるのは言うまでもありません。読むことを習慣づける秘訣は、「手軽に楽しく」がポイントです。
ハッと息をのんだ、心臓がドキッとした、時間の流れがわずかに遅くなり、まわりの世界が消えた。これらが“保存”の合図です。
神経科学の研究から、“感情は合理的な思考を邪魔するのではなく、むしろ整理する”ことが判明しています。
『行動を変えるデザイン』という本によると……
著者はこう結論しています。「わたしたちが気づいていないときも、直感はつねに反応しながら学習しているということだ」
直感の声を無視し続けていると、声は徐々に小さくなり、いずれ聞こえなくなります。まわりで何が起こっているのかが聞こえず、鈍感になるということですね。
逆に耳を澄ましていれば、内なる声は大きくなり、何を選択すべきか、どのチャンスをつかむべきか、害となる相手や状況はどんなときかということについて、どんどん勘が鋭くなります。
心に響くことのほかに、メモとして保存しておくと役立つ場合が多いものが2つあります。
ウェブサイトのアドレスや、コンテンツのタイトル、書籍の著者、出版社、出版日など、ソースに関する基本情報を記録しておくといいでしょう。
春川由香(はるかわ・ゆか)
翻訳家
英国ニューカッスル大学英語教育法修士課程修了。ノンフィクション、サスペンス小説等の翻訳を手がける。『MONEY 30歳で150億稼いだ私の思考法』など訳書多数。