事件直後に報道された毎日新聞の記事に見える「意図」
銃撃事件が起きた当日、「偏向報道だ」と批判されたのは、毎日新聞のニュースだった。
「自衛官3人が搬送された病院、予定の手術遅らせ対応」(毎日新聞2023年6月14日)
このニュースは一体何を言いたいのかと頭が混乱するようなニュースではないか。突発的な事件・事故・災害が起きた際、救急搬送されて命に関わる人々が優先的に治療を受けるのは当然だ。しかし、毎日新聞の場合はそんな当たり前の話をわざわざ「ニュース」にしている。何か特別な「意図」があるとしか思えないではないか。
そう考えるのは筆者だけではない。軍事ジャーナリスト・作家の清谷信一氏は7月11日、浜田靖一防衛大臣(当時)の閣議後会見でこんな質問をしている。ちょっと長いが非常に重要な示唆をされているので、そのまま引用したい。
普通、重篤な患者が運び込まれた時は、そういう手術を先にして、予定された手術は後に回すのは普通だと思うんですよね。なぜ普通のことをやったかというと自衛隊が何かこう権力を使って、その決まっていた手術を押しのけたみたいな、これ印象操作を図ってるんじゃないかと感じられるんですけれども、そういう意図がなかったのか、これは我々は分かるわけではないですが、その意図は感じませんか、大臣」(防衛大臣記者会見 令和5年7月11日)
結局、浜田大臣はコメントを控えたが、筆者も清谷氏の指摘する「意図」を非常に強く感じる。そして、この「意図」のクセがあまりに強い報道、つまりは「偏向報道」こそが、今回の“中指騒動”の遠因ではないかとさえ思う。