投資家は自分たちが買える以上の債券を欧米政府が発行していることを危惧している。だが、これらの債券を取引するシステムがその負荷に耐えられるかという問題の方が、はるかに緊急を要するかもしれない。米財務省は先週、長期米国債の発行計画を明らかにした。最近16年ぶりの高水準に達していた10年債と30年債の利回りは、この発表を受けて急低下した。世界中の債券投資家は国債の供給増加にとりわけ神経をとがらせている。インフレ率や金利の上昇に伴い、投資家はもはや国債を積極的に吸収しようとはしない、という暗黙のリスクがあるのだ。国際通貨基金(IMF)の予測では、富裕国の政府債務は2028年に国内総生産(GDP)比116%に達し、2022年の同112%から上昇する見通しだ。産業計画やグリーン政策への支出増加が背景にあるという。
政府債務、本当の大問題とは
増え続ける国債は預金者が喜んで吸収するかもしれないが、老朽化した金融システムの「配管」はそれに耐えられない可能性も
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