過去10年の大半の期間、中国が中東で描くストーリーは明快だった。それは投資や貿易、影響力を際限なく拡大させることだ。今年中国の仲介でサウジアラビアとイランが国交正常化に合意したことや、中国とイスラエルが強力な経済関係を持つことから、パレスチナ自治区ガザでの紛争が激化する中で、中国自身も注目を浴びる存在となっている。だが中東は引き続き、少なくとも経済的には「中東」から「東」寄りになる運命をたどるのだろうか。恐らくそうはならないだろう。少なくとも、つい数年前まで考えられていたほど急速には進みそうにない。中国が中東で高めつつある影響力の2本柱、すなわちエネルギー購入と対外投資は、今やかなり流動的だからだ。
中国の影響力にも限界、中東で陰り
中国の外国投資とエネルギー需要の伸び減速
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