2つの犯罪で起訴が成立
犯人に数百万円の賠償金を払わせた

 弁護士の交渉により刑事告訴が受理された結果、B男、および動画を複数名に流出させた悪質性の高い生徒10名に対して、警察の捜査が始まった。

 そうなると、加害者は以下のような状況に置かれる可能性がある。

・逮捕・拘留される
・家庭裁判所や少年鑑別所に送致される
・退学・停学などの処分を受ける
・大学入試等に悪影響が出る
・知人友人に白い目で見られる
・捜査や取り調べでスマホやパソコンを押収される

 A子さんの受けた被害を考えればどれも当然のことだが、初めのうちは「軽い気持ちでやったのに……」と思っていたのが、ここまで来て初めて自らの犯罪行為の重さを思い知る加害者も多い。

 B男に関しても、刑事告訴が受理されたのち、A子さんサイドへ示談の申し入れがあった。弁護士のサポートによる交渉の結果、(1)数百万円の示談金の支払い、(2)動画の破棄、(3)違反した場合の高額な違約金、を条件として示談が成立し、事件は解決した。

犯人が特定できないときでも
リベンジポルノ被害をあきらめないで

 ネット上に性的画像を流出させられた場合、すぐに犯人を完全には特定できない場合も多い。しかし今回のような状況にでも、犯人が特定できない正当な理由を主張できれば、刑事告訴が受理される可能性がある。あきらめず警察を粘り強く説得することが重要だ。

 リベンジポルノでは、ケースによって今回の他にも、盗撮罪、名誉毀損罪、わいせつ物頒布罪などさまざまな犯罪に該当する可能性がある。

 どのような犯罪として犯人への対処を進めればいいのか判断が難しいときには、専門家である弁護士に相談するのも有効だ。犯人の刑事告訴や民事訴訟はもちろん、サイト運営者への削除依頼、発信者情報の開示請求、犯人側との交渉など、幅広くリベンジポルノ被害の回復支援が受けられる。

(※プライバシー保護のため、登場人物の名前や居住地等は実際のものとは異なります)