1000万円で事業を買収した
新運営が分析する「失敗」の理由
ただよびの事業は複数の企業による応札を経て、教材制作会社のエデュ・プラニング合同会社が今秋に1000万円で買収した。これにより新たな運営体制が敷かれた。
エデュ・プラニングはそれまでも外部委託を受けるかたちで、ただよびの動画制作に携わっていた。潰れる過程を目の前で見てきた同社の間屋口克代表は、旧ただよびのビジネスモデルについて「フリーミアムにしたのは失敗だった」と分析する。
フリーミアムとは、無料サービスと有料サービスを組み合わせたもの。旧ただよびは無料動画と有料動画を組み合わせていた。
21年春にスタートした有料配信の会費は月額1980円。旧運営会社は22年の上場を目指していて、上場できる水準の売上高や利益にするには会員を数万人規模にする必要があった。目標設定そのものに無理があり、しわ寄せが講師たちの報酬におよんだ。
新生ただよびは、有料だった動画を無料公開に切り替える。ただよびはもともと、教育の格差を是正するために無料で授業動画を提供することをコンセプトにスタートした。「理念は守るべきだと。全巻無料で読めるはずの漫画が途中の巻から有料になるようなかたちは信頼性を損ない、ファンを獲得できなくなる」と間屋口氏は言う。
では、何で稼ぐのか。
新生ただよびは一般の塾・予備校に近いサービスを提供し、そのサービスを有料化する。