「高校→大学」という一般的なレールの複線として制度化された高専(高等専門学校)。特集『新・理系エリート』(全59回)の#15では、全国の国立高専における旧7帝大と東工大への進学者数ランキングを作成。高い就職率もさることながら、難関国立大学理系学部進学の穴場と呼ばれるに足る、隠れた実力を明らかにした。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
難関国立大への穴場ルート
旧帝大+東工大に強い高専ランキング
国立大学理系学部に一般高校以外から進学する穴場ルートとして、高専(高等専門学校)は広く知られている。では、一般高校と比べて、高専という選択は実際に“お得”なのか。
高専は、1950年代後半からの高度経済成長を支える科学技術の進歩に対応できる技術者養成という産業界からの要望に応える形で、62年に設立された。社会に出てすぐに役立つ専門知識と技能を身に付けることに重点を置いた教育を行うのが特徴で、ほとんどが工業系の学校だ。
卒業後は中堅技術者として就職することを想定して設立されたため、就職率はほぼ100%。就職先は大手企業が多く、現在も就職の道を選ぶのが多数派となっている。
一般高校との最大の違いは、3年制ではなく5年制であること。もし大学に進学する場合、学部1年次ではなく、原則3年次への「編入学」となる。高専全体では大学進学組はマイノリティーではある。
しかしながら、高専全58校のうち9割を占める国立高専について「旧7帝国大学」(東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学)に東京工業大学を加えた8大学への編入実績を調査すると、まさに“穴場”と呼ぶにふさわしい進学力を持っていることが分かる。
一般高校と比較した高専の進学力とは。そして、高専の中でも難関国立大に強いのはどの学校か。次ページでは、旧帝大+東工大への進学者が多い国立高専ランキングをお届けする。