難関大学の理系大学院の中には、他大学出身者や社会人などが入りやすい“穴場”がある。文系出身者が入りやすく、理系を学んだり研究できたりする“穴場”もある。特集『新・理系エリート』(全59回)の#16では、一橋大学や東京工業大学など難関国公立大学の大学院、私立の難関である「早慶上理」(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学)の大学院について穴場リストを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
難関国立大の大学院には7
早慶上理の大学院には17の穴場
大学院入学は学歴や理系へのコンプレックスを解消し、行き詰まったキャリアの打開策につながる。社会人にとっては学びや研究を深めるだけではない。人生を大転換する契機になる。
『「学歴ロンダリング」実践マニュアル』(オクムラ書店)の著者で大学院受験予備校講師の赤田達也氏によると、「内部生の進学が少ない研究科や専攻は他大学出身者が入りやすいし、実務経験のある社会人に門戸を広げているところもある。また研究内容が一つの学問分野にとどまらず幅広く学際的で文理が融合している研究科や専攻は、文系出身者も入りやすい」。
「大学院受験は情報戦。情報収集に基づいた受験戦略を立てれば、名門大の院生になる確率が上がる」という赤田氏の協力の下、穴場リストを作成した。
本特集#9『東大・京大なのに入りやすい理系の名門大学院「13の穴場」、他大出身&文系社会人は必見!』では東京大学と京都大学の穴場を見てきたが、東大と京大に続く難関大学こそ、大学院経営において他大生の受け入れに励む必要がある。大学受験で東大や京大に落ちた学部生は、大学院から東大や京大に移ろうとする。それこそ「早慶・MARCH」(早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)の教授が東大出身だったりすると、学生に格上の大学院でステップアップを促すことも少なくない。受験者側は、内部生が入らなかった枠に外部から入りやすいのか、閉鎖的なのかなど、穴場を見極めることが大事になる。
次ページでは、難関国公立大学と早慶上理の大学院を徹底解剖した。難関国公立大には七つ、早慶上理には17の穴場がある。額面通りの理系のみならず、視野を広げて網をかけると、意外なお宝が存在する。