【誤解3】
保有資産が値上がりしたら、限度額の1800万円を超えてしまう

 新NISAの非課税保有限度額は、保有資産の取得金額ベースの累計額(簿価)が1800万円を超えていないかどうかをチェックするので、購入後に資産が値上がりして時価評価額が1800万円を超えても、問題なく非課税での運用を継続できます。

【誤解4】
非課税保有限度額が生涯で1800万円。うち成長投資枠が1200万円ということは、つみたて投資枠は600万円しか使えない

 いいえ、つみたて投資枠で1800万円を使うことができます。

 例えば、毎月5万円の積み立てを30年間続ければ、取得金額ベースで1800万円に達します。非課税保有限度額のうち、成長投資枠だけに1200万円の上限が定められているのは、新NISAではつみたて投資枠を使ってコツコツと資産形成することが原則的な使い方だからです。

【誤解5】
資産を500万円分売れば、投資枠も500万円分復活する

 これもありがちな誤解ですが、非課税保有限度額はあくまでも取得金額ベースで管理されます。ですから、例えば300万円で買って500万円に値上がりした資産を売却した場合、翌年には、売却した資産の取得価格である300万円分の投資枠が復活することになります。

【誤解6】
500万円分売れば、翌年はその金額が投資できる

 投資枠として翌年に復活するのは、売却した資産の取得価格分です。売却した資産の取得価格が500万円だとすると、翌年に500万円分の投資枠が復活します。

 しかしながら、年間投資額はつみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円が限度ですから、両方を利用したとしても年間での投資可能額は360万円です。投資枠が500万円分復活したからといって、500万円を投資できるわけではありません。ここにも、焦らずに長期目線で資産形成してほしいという制度の意図が感じられます。