スタンドアロン型

ゴーグル本体だけで動作するスタンドアロン型のVRゴーグル。代表的なのはMeta(旧:Facebook)の「Quest 2」で、専用のゲームソフトを本体にインストールしてプレイするほか、別売りのケーブルを使ってPCと接続すれば、PC用VRゴーグル「Oculus Rift」(販売終了)向けソフトも楽しめる。内蔵メモリ容量によって3万7180円(以降、いずれも税込)と4万9280円の2つのバリエーションがある。もともとはハードウェアスタートアップのOculusが開発していたハードだが、Facebook(当時)が買収して今に至る。

ゲーム機特化型

家庭用ゲーム機との接続に特化したVRゴーグル。現時点ではPlayStation 4/Pro専用の「PlayStation VR(PS VR)」のみ。SIEをはじめとするPS4用ソフトメーカーが作るPS VR専用ソフトに加えて、通常ソフトに「PS VRにも対応したモード」を備えた『バイオハザード7』や『エースコンバット7』などを楽しめる。発売当初は備品を含めて6万円程度していたPS VRだが、現在は廉価版が3万8478円で販売されている。前述のとおり後継機となるPS VR2は2022年1月のCESでスペックが発表されたばかり。

PC連動型

Steamなどで販売されるPC用VRソフトを再生するなど、外部のPCやスマートフォンと接続して利用するVRゴーグル。HTCとValueの2社が代表格だ。HTCの製品は、廉価版にあたるVIVE Focus 3は13万900円で、上位機種のVIVE Pro 2は17万8990円。Valueの製品は基本的な「ヘッドセット+コントローラ」が10万4280円で、スピーカーもセットになった「VRキット」が13万8380円となっている。

VRゴーグルの市場規模

ここまで説明してきたとおり、VRゴーグルには大きく分けて4カテゴリーの製品があるものの、実質的には3000円から5000円で買える「スマートフォン用VRアプリを体験できる」スマートフォン用ゴーグルと、それ以外という2つの大分類に分かれている。BCNの発表によると、2021年9月時点の販売台数シェアはFacebook Technologies(現:Meta)が72.9%、エレコムが21.5%となっている。

国内ではスマートフォン用ゴーグルはエレコムの寡占状態で、PC用/スタンドアロン型はMeta、つまりはQuest 2の寡占状態にある。PS VRも販売台数シェアが一時的に30%を越えた月もあるが、VR向けのビッグタイトルが発売された2019年9月や2020年6月など限定的で、累計台数で見ればQuest 2が圧倒的なのは明確だ。