バッキンガム宮殿での晩餐会を前に記念撮影に応じる天皇、皇后両陛下、チャールズ国王夫妻Photo:WPA Pool/gettyimages

さまざまな配慮のもとで挙行された
天皇、皇后両陛下の英国訪問

 チャールズ国王とキャサリン妃のがん治療、皇后雅子さまのご体調不安定、さらに英国の総選挙で大忙しという状況のもとで挙行された両陛下の英国国賓訪問だが、大きな混乱なく終わった。「成功」をお祝いし、日英の関係者の仕事に敬意を表したい。

 ただ、雅子さまのご体調のために異例の日程だったのも確かで、さまざまな宿題を残した。『週刊文春』の7月1日号は、「《英国での行事出席率41%》雅子さま『本当のご体調』」というこれまでになかった批判的な記事を出し、同じ号では、「名物OB山下晋司が”園遊会某重大事件”で宮内庁に直言『天皇陛下に新形式のご提案を』」という手厳しい記事も載せている。

 いずれの記事も、雅子さまの体調は国民一般が考えているより深刻で、午前中の予定は入れられないし、「そろそろお時間ですよ」とのお声がけをすることもプレッシャーになるのでできないため、行事に遅刻されることも多いとある。

 また、英国ではエリザベス女王の墓参などの大事な行事には陛下が単独で行かれた一方、雅子さまが名誉博士号を授与されたオックスフォード訪問だけは、雅子さまは陛下とともに濃密な日程をこなされたと指摘している。あわせて、東京での園遊会の際も、雅子さまは旧知の芸能人らと長話をされる一方、多くの一般人を待たせたと批判している。

 本記事では、今回の日程を昭和と平成の英国国賓訪問と比較している。だが、昭和・平成の国賓訪問だけでなく、近年に行われた中国の習近平主席や韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の国賓訪問と比べても貧弱で、費用対効果もよくなかったのが現実だ。

 具体的には、文春が指摘している雅子さまの「出席率」だけでなく、陛下の行事出席も少なかった。これは、国内でのご公務についても同様の傾向が指摘されているところだ。