「やけどちゅうい」といった文言も記されている
「やけどちゅうい」といった文言も記されている

そしてなんとか社内で製品化の承認を得ることができた頃には、白物家電の開発の専任チームが立ち上がり、本格的に白物家電領域に参入するための体制が整うくらいの時間が経過していた。

日々の暮らしを支える当たり前の存在に

こうして3年以上の歳月をかけて、白物家電の第1弾である「HOT DISH」を発売した。現在「HOT DISH」は、テストマーケティングとプロモーションを兼ねて、応援購入サイト「Makuake」でプロジェクトを公開している。

創業から35年、パソコン周辺機器のメーカーのエレコムが新たに「白物家電」を開発した狙い
 

エレコムで働いていると時々、ユーザーの方から「エレコムの製品は気づいたら家にたくさんあった」と言われることがある。エレコムが取り扱う製品はコモディティ化したものが多く、飛びぬけて目立つ存在ではないかもしれないが、実は生活のいたるところにこっそり隠れているのだ。

白物家電も同様に、今はまだ新しい領域に踏み出したばかりのチャレンジャーだが、「気づいたら家にある調理家電がエレコムだった」と言われるような、人々の生活にそっと寄り添う当たり前の存在になりたい。エレコムの新たな挑戦は始まったばかりだ。

創業から35年、パソコン周辺機器のメーカーのエレコムが新たに「白物家電」を開発した狙い
 

佐伯 綾子(さえき りょうこ)エレコム商品開発部 デザイン課所属。エレコムに1997年入社し、主にパソコン周辺機器やアクセサリー、オーディオ製品の企画・デザインを担当。その後、新規事業である白物家電「HOT DISH」プロジェクトを担当。「ありそうでなかった」新しいものを目指し、日々製品企画・デザインに取り組む。