2021年7月に発売された「24hブラ」の新色
2021年7月に発売された「24hブラ」の新色

ポイントは「すぐにどんな商品なのかがわかる愛称」

大槻:振り返ってみて、ヒットのポイントはどこにあると考えていますか。

小島:まずは、ネーミングだけで「どんな商品なのか」をわかるようにしたことです。24hブラは、その名のとおり「24時間つけていて心地がいいブラジャー」。こうした一発で商品の特徴がわかるキャッチコピーが、SNSとの相性がよかった。2018年11月の販売時にプレスリリースを出し、その後、2019年2月にInstagramを本格的に稼働。24hブラのビジュアルや特徴を積極的に発信していきました。

大槻:わかりやすいキャッチコピーが競争力になる、と。

小島:特徴がわかりやすいものだと、なおいいですね。24hブラはOEMで製造してはいますが、私としては、こだわりが10個以上ある商品でもあります。

大槻:商品力はもちろんのこと、それをしっかり伝えるのも大事ですよね。今の時代はさまざまな情報が飛び交っていて、顧客にとっても「おいしい」「使い心地が良い」だけでは良さが分かりません。「何のための商品なのか」まで言えないと難しいと思います。大手企業のように資本力のないブランドの戦い方として、本当に顧客が買ってくれるきっかけとなる情報を提供するのは必須ですよね。

 

小島:同感です。私の仮説ですが、多くの顧客が自然に商品を発見し、「ここが魅力だ」と発信してくれることは、ほぼありません。コンビニのお菓子でも「◯本入っている」「コクがある」などの情報を知った上で食べて「おいしいからおすすめ」となる。そうやって関連情報を含めることで、顧客の理解が深まります。

24hブラは、パンフレットだけでなくTwitterなどSNSアカウントの基本情報にも詳細や商品写真を必ず掲載しています。顧客にとっても、気になる商品をチェックしに来たのに情報量が少ないとシェアする気持ちになれません。情報設計は大事なんです。

SNSでの拡散力を高め、月1万円のマーケティング費用のみで売上を伸ばす

小島:24hブラがヒットする転機になったのは、Twitterです。当初は、アパレルとの相性がいいことからInstagramを頑張るつもりでした。でも、当時の24hブラは4色しかなく、写真のバリエーションを出せなかった。ブラジャーの商品写真以外でも、バストの豆知識などを発信してみましたが、ビジュアル勝負のInstagramではうまくいきませんでした。

であれば、Twitterでもやってみようと思い、私の個人アカウントを使ってハウツー系のコンテンツを投稿してみました。そうしたら「ブラジャーの干し方」を紹介したコンテンツが1.6万リツイート、4.8万いいねを記録するほどバズり、その日のうちに24hブラは10万円もの売上を記録しました。