Yay!の画面。グループ通話機能は同サービスの特徴の1つ
Yay!の画面。グループ通話機能は同サービスの特徴の1つで、常時接続SNSとして長時間つなぎっぱなしにするユーザーもいるという

Yay!では独自のアルゴリズムによって世代や趣味・趣向が近いと思われるユーザーの投稿が「おすすめ」として表示されることで、幅広い人に承認が行き渡るような構造を作ってきた。そのため同サービスでは「10万人のフォロワーがいるインフルエンサー」はほとんど存在しないが、一方で既存のSNSよりも100人〜200人のフォロワーを集めやすいという。

また階層構造を作らないためにライブ配信のような機能は実装せず、あくまで双方向の通話にこだわるなどフラットなコミュニティを維持するための機能設計をしてきた。

「Yay!はメタバースの本命だと考えている」

2021年にフェイスブックがMetaへと社名を変更し、メタバース領域に年間1兆円規模の投資を実行するという戦略を打ち立てたことは大きな話題を集めた。

メタバースの定義や考え方は人によって異なるが、石濵氏は「リアルとは切り離された関係性の中で、自分の素を出せるコミュニティが存在するバーチャル空間であること」がメタバースの重要な要素であり、その観点では「Yay!はメタバースの本命であると考えている」と話す。

メタバースに関連する代表的なサービスとしては「Decentraland」や「The Sandbox」などの名前が挙がることも多いが、これらは現時点で「コミュニティのないプロジェクト」であり、その点がYay!とは異なるという。

今後Yay!ではこれまで築き上げてきた独自のバーチャルグラフによるコミュニティを土台にしつつ、次のステップとしてその上にトークンエコノミーを実装していく。要はユーザーがYay!を楽しみながらコミュニティに貢献すれば、貢献度に応じて報酬がもらえるような世界観だ。

最終的にはNFTやVR、アバターなども含めたコンテンツを充実させることで、ユーザーが毎日活用し、経済活動が行われるような世界の実現を目指していくという。

「ここ数年、さまざまな分野で『民主化』をテーマとした革命が起こっています。SNSであれば中央集権やインフルエンサーオリエンテッドなものから、匿名かつフラットで多様性が認められるものへとユーザーが移動し始めている。ファイナンスであれば自律分散型のネットワークであるブロックチェーン技術やトークンエコノミー による資産形成の注目度が増し、2021年12月時点で暗号資産の時価総額は250兆円規模にまで拡大しました」

「僕たちはこのソーシャルとファイナンスの民主化が混ざり合って、これからのメタバースを形成していくと考えています。現在は暗号資産全般で投機的な面が強く、資産を増やした先で出口となるような選択肢が、ステーブルコインやNFTへの投資など限られている。今後手にした暗号資産をどこに保存していくのか。それこそがデジタル空間における自分の居場所やコミュニティであるメタバースになると思うんです」(石濵氏)