そうですね。もともと僕は前の会社(創業したソーシャルゲーム開発のウノウ。2010年に米Zyngaへ売却)のときから、グローバルでインターネットサービスを作って、その中で「楽しい」「便利」「役に立つ」など、よりたくさんの人にインパクトを感じてもらいたいという思いがありました。前は「モバイル×ゲーム」という領域でチャレンジしたし、今回はCtoCマーケットプレイスという分野でチャレンジしているといったところです。そのときどきで、海外でもいけそうなアイデアという点で選んだテーマでした。

──(Zyngaを離れた後に)世界一周の旅行をして、選んだのがこのサービスだったということですか。

正確に言うと世界一周して帰ってきたら、ちょっと浦島太郎状態だったんですけれども。2012年の終わりぐらいで、スマートフォンが一気に普及して「LINE」などをみんなが使うようになっていたときです。スマートフォン向けに僕が回ってきたような国でも使われるようなものを作りたいというのが、1つのきっかけではありました。帰国していろいろ見ているうちに、この(メルカリの)アイデアがいいんじゃないかと思ったという経緯です。

山田進太郎氏
 

失敗してもいろいろなチャレンジを続けるしかない

──道半ばでまだまだという話でしたが、今までの9年間で「これはしなくてもよかった」という失敗はありますか。

今思えば未熟だったから、しなくてよかった失敗はもちろんあります。でも、その失敗があって気づいたこと、そこから学ぶこともあったし、そういういろいろなチャレンジの中から成功も生まれてきたと思うので、「こうしなければよかった」とか「こうしておけば」とは、あまり思いません。

──今の起業家や起業志向の若い方に、経験上、注意しておくべきことや、「転ばぬ先の杖」のようなアドバイスはありますか。

アドバイスがあったらそれを防げたか、回避できたかという意味では、結局やっぱり自分でやって、その中から学んでいかないと、なかなか実感がないし、学んでいくのがすごく難しいと思うんですよね。だから、とにかくいろいろなチャレンジをしてみることです。

「こういうプロダクトが世の中で求められてるんじゃないか」と思って作って、それを提供してみて、「思ったように使われない」みたいなところから学んでいく方がいい。もちろん大枠の戦略は必要だと思いますが、ディティールのところで失敗しないで行くというのは本当に難しいというか、不可能だと思います。そういう意味では、チャレンジし続けるしかないかなと思います。