2020年12月設立のハイヤールーもこの領域で事業を展開する1社だ。同社では日本において、さまざまな企業がコーディング試験を導入しやすくなるための仕組みを広げていこうとしている。

技術力をスコアで定量化、自動採点機能を備えたコーティング試験サービス

HireRooの試験画面のイメージ
「HireRoo」の試験画面のイメージ

ハイヤールーが手掛ける「HireRoo(ハイヤールー)」は試験用の問題、実際に試験を実施するための開発環境、候補者の解答を自動で採点する機能などが備わった“オンライン完結型のコーディング試験サービス”だ。オンラインでコーディング試験をするにあたって必要になる仕組みがパッケージ化されたツールだと考えるとわかりやすい。

自社でコーディング試験を実施する際の課題になりがちだった問題の作成に関しては、あらかじめHireRoo上に用意された83種類の中から好きなものを選ぶだけ。エンジニアがゼロから作成する手間がかからない。

試験用の開発環境はサービスに内包されているため、候補者が自ら環境を構築する必要もなく、ブラウザ上で完結する。解答結果はHireRooが自動で採点。従来は定性的に評価されることが多く、面接官によって判断にブレが生じやすかった可読性(コードの読みやすさ)や保守性といった部分も、“スコア”として定量化される。

問題の選択画面
問題の選択画面
レポート画面
レポート画面

 

こうした機能に加えて、ハイヤールー代表取締役の葛岡宏祐氏が特徴に挙げるのが「プレーバック」だ。これは候補者が「どのようなプロセスでコードを書いたのか」を辿れる、“巻き戻し再生”のようなもの。葛岡氏によると、この機能が顧客から選ばれる1つの理由にもなっているという。

「海外のものも含め(自動採点機能を備えた)コーディング試験サービスは、あまりクリティカルではないエラーのせいで必要以上にスコアが減点されてしまうことがあります。場合によっては『スコアが全く参考にならない』というのは大きな課題の1つです。HireRooではプレーバックによって試験の過程をすべて確認することができ、その上で一定の工数削減や面接官によるブレの防止も見込める。その点を特に評価いただけていると感じています」

「やはりコーディング試験は面接官の体力面の負担も大きい。その業務の大部分が自動化され、一定の質を担保しながら採用を進められる仕組みはニーズが高いです。一方でいくら定量的に評価できたとしても、(コードを書いた過程などが)実際にどうだったのかが気になるという方も多い。そこも包み隠さず解ることで、企業側の納得感が増す側面もあると考えています」(葛岡氏)