導入の効果としては、コーディング試験にかかる担当者の負担の削減がわかりやすい。手動では問題の作成や評価を含めて1人の候補者あたり2時間程度かかっていた業務が、HireRooを活用することで5分程度に短縮された例もある。

2億円調達で体制強化、年内で200社への導入目指す

直近では技術力だけではなくシステム設計力やコミュニケーション能力といった総合的なスキルを測れるように、“システムデザイン”形式の問題への対応も始めた。特にリードエンジニアやテックリードと呼ばれる人材を採用したい企業のニーズが高く、これまでは「ホワイトボードを使った技術面接」で判断されることの多かった領域だ。

システムデザイン形式の問題への対応も始めた
システムデザイン形式の問題への対応も始めた

またセキュリティ面や採用サポートなどを強化したエンタープライズ向けプランの提供も始め、大手企業やSIer、メガベンチャーなど幅広い企業への展開を見込む。

ハイヤールーとしてはまずは国内での事業拡大に注力し、2022年内に200社への導入を目指す計画。組織体制の強化に向けてデライト・ベンチャーズ、Coral Capital、既存投資家のPrimal Capitalを引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズ Aラウンドにおいて総額2億円の資金調達も実施した。

ゆくゆくはHireRooで培った仕組みをコーディング試験だけでなく、社内エンジニアの評価や育成の面でも活用できるようなサービスの開発にも取り組んでいくという。

「目指しているのは、企業とエンジニア双方にとってベストマッチな採用を実現するサービスです。エンジニアにとって自身が活躍できる場所を見つけられた結果として、企業のエンジニア組織の技術力が向上し、日本企業の企業価値が高まっていく。そのような世界観を実現していきたいです」(葛岡氏)