──それは前向きになれる話ですね。今までだと、バズるための記事の書き方という話で、その場でバズって広告収入を集めるのが、Web2.0のメディアの行く末みたいになっちゃった流れがありました。

はい。今までですと、Twitterで出したり、Facebookで出したり、いろんなもので出して、それこそOff Topicでもいろいろ出しているんですけど、それで「拍手」をもらっているだけ、「いいね」をもらっているだけなので。

──そうですね。「同情するなら金をくれ」っていう言葉が浮かんでしまった古い人間ですが、たしかにそうですね。拍手をもらえるのは楽しいんですけど……。

それはすごくいいと思うんですけど……。

──本業にはできないですよね。拍手をもらうことでは。

でも、すごくいいアーティストさん、絵を書く方々や音楽を作る方々って、拍手だけ(しかもらえない)じゃないですか。リアルな世界では、もちろん拍手だけもらう人もいますけど、より優秀な方、より優れた方は、お金をもらえるという概念が当たり前なんですけど、ネットの世界では当たり前ではない。

──確かにそうですね、当たり前じゃないんですよね。

それを今後どう変えていくのかというのが、クリエイターエコノミーの課題になっています。クリエイターエコノミー3.0がファンとの直接的なマネタイズオプションで、クリエイターエコノミー4.0がWeb3.0の領域っていうところになっていますね。

──価値あるものにはお金が払われるのが当然という文化に、ある意味戻るべきという話ですよね。未来に向けて希望が持てる話をしていただき、本当にありがとうございました。

ありがとうございました。

宮武徹郎氏(Off Topic 代表取締役)
 

宮武徹郎氏(Off Topic 代表取締役)
USバブソン大学卒。2014年に新卒でデジタルガレージに入社し、ベンチャー投資育成チームに配属。主に北米のスタートアップ企業への投資に従事。2020年に独立してクリエイターと世界、テクノロジーと社会を結びつけ、カルチャーモーメントを生み出すメディアブランド・コミュニティカンパニー「Off Topic」を立ち上げる。
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