今回の投資家の中には地銀系のベンチャーキャピタルが6社含まれているのがポイント。ビビッドガーデンはこれまで50以上の自治体と連携してきたが、新たに加わった株主とも協業しながら地域の生産者の獲得とサポートに力を入れていくという。以下は今回の投資家陣。

  • 新生企業投資
  • ANRI
  • 三菱UFJキャピタル
  • みずほキャピタル
  • FFGベンチャービジネスパートナーズ 
  • 山口キャピタル
  • GOLDWIN PLAY EARTH FUND 
  • 南都キャピタルパートナーズ
  • ヒューリックスタートアップ
  • いよぎんキャピタル
  • 広島ベンチャーキャピタル
  • 山梨中銀経営コンサルティング
  • ジャフコ(既存投資家)
  • NOW(既存投資家)

30〜50代を中心に利用者が増加、登録ユーザー数は65万人超え

ビビッドガーデン代表取締役CEOの秋元里奈氏によると、この2年間は主軸サービスである食べチョクを磨きながら「そこで培ったアセットを活かして事業を横に広げる挑戦をしてきた」という。

もともと食べチョクは2017年8月にオーガニック農作物を扱う産直ECとしてスタートした後、肉や魚、酒、米、花き類など対象を拡充しながらサービスを拡大してきた。2020年7月には待望のスマホアプリもローンチ。カート機能やレシピ機能などを取り入れECサービスとしてのユーザー体験を向上させながら、利用シーンや用途を広げる取り組みにも力を入れてきた。

食べチョクのサイトイメージ
 

たとえば産直野菜の定期便「食べチョクコンシェルジュ」や旬の果物の定期便「食べチョクフルーツセレクト」は人気サービスの1つ。前者の累計注文数は15万件を超えており、後者も2022年3月のリニューアルから2カ月で注文数が1.5倍に増えた。2021年2月からは新たに法人向けの「食べチョク for Business」も始めており、大企業を中心に取引先や従業員向けのギフトとしての用途など利用が進む。

「安く買えるサービスとして認知されてしまうと、他にも選択肢がいくつも出てきます。食べチョクの場合はそうではなく、品質が良いものを生産者からお得に買えるのが特徴です。(その特徴を残しながら)最近では良いものをギフトとして贈りたいというニーズや、定期便を通じて日常的に食べたいというニーズに対応するかたちで、食べチョクを起点に利用シーンを広げるようなイメージでサービスを拡充してきました」(秋元氏)

冒頭でも触れた通り、前提としてコロナ禍で産直ECを含む生鮮EC自体の注目度が増している。特に食べチョクの場合はそのタイミングでテレビCMを実施したことや、秋元氏自身がテレビを始めとしたメディア活動にも積極的に取り組んだことでサービスの認知度が一層高まった。

「食にこだわりのある人」や「料理を楽しみたい人」がコアなユーザー層であることは以前から変わらないものの、ネットで生鮮食品を購入していなかったような人たちも食べチョクを利用するようになった。年齢層ももともと多かった30〜40代に加え、50代のユーザーが増えてきているという。