平均11分で欲しいものが届く“次世代コンビニ”

QuickGetのアプリ画面のイメージ
QuickGetのアプリ画面のイメージ

QuickGetはローンチ当初から「デリバリーに特化したデジタルコンビニ」をうたっているように、コンビニに置いてあるような多様な商品をアプリから手軽に注文できるサービスだ。

弁当やスナック菓子、アイスクリームからジュースやコーヒー、缶ビールまで幅広い食料品を筆頭に、トイレットペーパーやシャンプーといった生活用品、iPhoneの充電器やジェンガなどのパーティーグッズなども手に入る。2021年12月からは新たに生鮮食品の販売も始めた。

冒頭で触れたように渋谷区、港区、目黒区の3箇所にダークストアを構え、周辺のエリアに対象地域を限定することで注文から短時間で商品を届けられる体制を構築。直近の配送時間は平均11分、30分以内の配送率が99%だという。

商品の注文や決済はすべて専用のモバイルアプリから行う。送料は配送距離などに関わらず一律250円。クイックゲットが自社で在庫を抱えているため、安いものであれば実店舗と同等の価格帯で手に入る。

平塚氏によると主なユーザー層は20〜40代が中心で「お得さと利便性を比較した場合に後者をより重視する」傾向にある。具体的にはリアルなコンビニやフードデリバリーサービスを使って買い物をしていた人が多いという。

「実際に『家からわざわざコンビニ行く回数がゼロになりました』という声をいただくこともあります。デリバリーサービスだと30〜40分かかるので、それならQuickGetにしようと考えて使ってくださる方も多いです。反対にお得さを重視されていて、多少時間がかかってでもスーパーで買い物をしていたような人はユーザーになりにくいと感じています」(平塚氏)

クイックコマースサービスの中には生鮮食品を豊富に扱い、ネットスーパーに変わる選択肢として利用されているものもあるが、クイックゲットが狙っているのは“次世代のコンビニ”だ。 一口にクイックコマースと言っても方向性や商品などはサービスごとに異なり、必ずしも利用者層や利用シーンが一致するわけではないと言えるだろう。

ローンチから約2年で徹底的に研究、直近半年で売上は3倍に

クイックゲットはもともと「レキピオ」という社名で2017年にスタートした会社だ。当初は冷蔵庫の中に入っている食材に合ったレシピを提案してくれるアプリを開発していたが、ピボットを決断。30分で欲しいものが届くデジタルコンビニというテーマで、2019年11月にQuickGetのベータ版をローンチしている。

同サービスの開発を始めた当時はグローバルで見てもクイックコマース系のサービスがほとんど存在せず、今のようにクイックコマースやQコマースというジャンルで語られることもなかった。