「1配送あたりが赤字の状態だと、配送するほど赤字が膨れ上がっていくことになります。たとえばQRコード決済のようなサービスであれば、トランザクションごとに多大なコストがかかるわけではないので、赤字先行でも良いかもしれません。でもクイックコマースの場合には倉庫のコストやピッキングの人件費、配送コストなどがかかってくるので、同じような考え方では持続的な成長が難しい。(平均配送時間を維持したまま)1配送あたりで黒字化を実現できていることは、大きな価値があると考えています」(平塚氏)

QuickGetで扱う商品。初期からコンビニを意識し、食料品をはじめ日用品など幅広い商品を扱ってきた
QuickGetで扱う商品。初期からコンビニを意識し、食料品をはじめ日用品など幅広い商品を扱ってきた

今回の資金調達は、事業の基盤が整ってきた中でさらなる成長に向けて舵を切るのが目的だ。フルタイムのメンバーを1年で20人から80人規模まで拡大し組織体制を強化するほか、アプリの機能改善やマーケティングにも投資をする。現在3店舗ある拠点も3年で200店舗まで広げていくことを目指す。

「圧倒的な顧客体験の提供に向けて試行錯誤を続けてきた中で、継続率も高く、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成したという手応えも掴めてきています。これからも引き続き優れた顧客体験の構築に力を入れながら、今後はより多くの人にその体験を提供できるように事業の拡大を目指していきます」(平塚氏)