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ノーコードで顧客接点となるコミュニティを開設

coorumの特徴的な機能は大きく2つ。「顧客接点を一元管理する機能」と「顧客の行動履歴を分析し、LTV(ライフタイムバリュー)の長いファンを増やしていくための機能」だ。

顧客接点の一元管理についてはBtoBの事例がわかりやすい。「マネーフォワード クラウド」の活用支援の一環としてcoorumを導入しているマネーフォワードでは、もともと顧客を支援するための情報が分散していたことが課題だった。

具体的にはマニュアルはヘルプページ、活用方法を解説した動画はYoutube、セミナー関連の情報は専用ページといったかたちで各コンテンツが異なる場所に置かれていたため、ユーザーは使い方に迷った際に「どこに行けば解決できるのかがわからない状態」になっていたという。

coorumでは独自のオンラインコミュニティを“ノーコード”で作成できるため、マネーフォワードでは会員向けのコミュニティを新たに開設。そこに動画やマニュアル、イベント情報などを集約することで「ここに行けばサービスのことが全てわかる」場所を作った。

顧客接点を一元化した独自のオンラインコミュニティをスピーディーに立ち上げられるのはcoorumの特徴だ
顧客接点を一元化した独自のオンラインコミュニティをスピーディーに立ち上げられるのはcoorumの特徴だ

Asobica代表取締役の今田孝哉氏によると、このような事例はSaaSなどBtoBの事業を展開している企業に多いという。コミュニティの方針は企業ごとに異なり、企業側からの情報発信を中心に据えているものもあれば、ユーザーが投稿した質問に他のユーザーが答えるといったようにユーザー同士の交流を促進するようなものもある。

特にSMB(スモールビジネス)向けのSaaSなど顧客数が多いような事業者においては、自社サービスを長く使ってくれるユーザーを増やしていくためだけでなく、顧客サポートの効率化の効果を狙ってcoorumを導入する場合もあるという。

自社の顧客IDとの連携でファンを生み出す勝ちパターンを発掘

またコミュニティ上での顧客の行動履歴を分析し、ファンの拡大につなげていく仕組みもcoorumの強みだ。

「そもそも自社のファンはどのような顧客で、どんな行動をしている人たちなのか。それを明確に特定できている企業ばかりではありません。実際に何となくファンは増えているものの、その要因がわからず、再現性が低くて悩んでいるということも珍しくない。データを活用してファンに共通する行動を洗い出し、勝ちパターンを発掘することで再現性を高めていける点は(顧客企業に)価値を感じてもらえている部分です」(今田氏)

たとえばホームセンター事業を展開するカインズでは、ユーザーのDIYを後押しするための施策の1つとしてDIY好きのユーザー同士が交流できるオンラインコミュニティ「Cainz DIY Square」を運営している。