約27億調達で事業拡大、「CS領域のSalesforce」狙う

Asobica代表取締役の今田孝哉氏
Asobica代表取締役の今田孝哉氏

Asobicaは2018年の創業。今田氏たちが最初に取り組んだのは、トークンを活用したファンコミュニティサービス「fever」だ。

同サービスは数百の団体や企業で導入されるなど事業自体は伸びていたものの「ARRが100億円規模の事業を目指せるかどうかを考えた時に、かなり難しいと感じた」ことを背景に、方向性を転換する決断をした。

そこから現在のcoorumの構想にたどり着いたのは、今田氏が前職のファインドスターグループ(スタークス)でカスタマーサクセス領域のSaaS事業に携わっていたことに加え、行きつけの焼き鳥屋の存在が大きかったという。

「そのお店が好きな理由は店主の思いや店員さんの接客、雰囲気などが心地良いと感じていたからでした。焼き鳥を食べに行っているというよりも、自分の心を満たしに行っている。このような体験を作りたいと思ったんです。行けば行くほど愛着が湧くような体験が作れれば、企業は売上が増えるし、消費者も好きなことに没頭できる時間が増える。『遊びのような熱狂で、世界を彩る』というミッションを起点に始まった会社でもあったので、このミッションにもマッチしていると感じました」(今田氏)

近年カスタマーサクセス領域のソフトウェアを手がけるスタートアップは、グローバルでも増えてきている状況だ。国内でも2021年に約19億円を調達したコミューンなど関連するプレーヤーが生まれてきている。

Asobicaが目指しているのは「カスタマーサクセス領域のSalesforce」のような存在。今回調達した資金で組織体制を強化し、データプラットフォームとしての価値を高めていくような機能開発に投資をしていくほか、事業規模の拡大に向けてマーケティングやパートナーとのアライアンスも強化するという。