AIによって著作権フリーの楽曲を手軽に作曲できるサービスが、動画配信などのユースケースの拡大に伴い勢いを増している。6月に開催された「B Dash Camp 2022 Summer in Sapporo」のピッチコンテストで優勝したSOUNDRAWは、7月末に約1.8億円の資金調達を発表した。そんななか、J-POPの世界で数多くの著名アーティストの楽曲を提供・プロデュースしてきた音楽プロデューサーが手がけるAI作曲サービスが登場した。
米津玄師、Official髭男dism、あいみょんや、最近ではアニメ『鬼滅の刃』の主題歌「残響散歌」を歌うAimerなど、1000組を超えるアーティストへの楽曲提供・プロデュースを手がけている音楽クリエイター集団・agehasprings。その代表であり自身も現役の音楽プロデューサーである玉井健二氏が代表取締役CEOを務めるスタートアップ・TMIKがリリースしたのは、AI楽曲作成サービス「FIMMIGRM(フィミグラム)」だ。
このサービスは、玉井氏が選定した2000曲のヒットソングを学習データの対象とし、その特徴をAIが学習。抽出された特徴にランダムな要素を加えることで、さまざまなパターンのメロディやコード進行を無限に生成することができるというもの。サービスの根幹となる作曲AI技術の「FIMMIGRM ENGINE」は現在特許を出願中で、先行して「楽曲を似せない技術」で特許を取得済みだという。
FIMMIGRMの料金プランは、個人向けのSTARTER、STANDARD、CREATOR、そして法人向けのBUSINESSに分かれている。個人向けプランでは支払いが月払い・年払いから選択可能。CREATORプランの年払いなら、1カ月あたり1650円、1曲あたり27.5円で楽曲が購入できる。
購入した楽曲の権利は購入者に帰属するため、トラックをそのまま動画配信や制作に活用したり、編集を加えたり、オリジナルの楽曲制作にも利用できる。さらに、AIで生成された楽曲に、agehaspringsグループ所属のプロコンポーザーがアレンジを加えた「PRO-ARRANGEDトラック」も用意されており、どの料金プランに契約しても購入することができる。