最近、ニュースレターのプラットフォームの分野では、あまりパッとしないニュースが続いている。1年前の2021年にはTwitterがRevueを買収し、Meta(当時の社名はFacebook)がニュースレター配信サービス「Bulletin」を開始するなど、米テック大手もニュースレターに可能性を見いだしていた。だが、Twitterは2022年7月、Revueがアクセスできない状態にあるのにも関わらず丸1日以上放置。Metaはこの10月、Bulletinを2023年初頭に閉鎖すると発表している。両社にとってニュースレターが今や注力サービスではないことは明確だ。

こうした状況を受けて、米ウェブメディアのVoxは「The newsletter boom is over. What’s next?(ニュースレターブームは終わった。では次は?)」というタイトルの記事を掲載。マッケンジー氏は同記事への共感を示した上で、Substackが今なお拡大し続けている理由について、FacebookやTwitterとは「最初から違う挑戦をしてきたからです」と説明した。

「Substackの挑戦は、ライターやクリエイターに力を与えるというものです。ライターがメディア運営に伴う煩雑な作業をほとんどすることなく、また、ゲートキーパー(プラットフォーマー)に支配権を譲ることなく、独立性を維持できるようにするための挑戦なのです。私たちは、ライターやクリエイターにインターネットの力をフルに発揮してもらうためのツールを構築し、彼らのコンテンツが最大限の影響力、リーチ、収益を得られるようにしています」(マッケンジー氏)

マッケンジー氏によると、Substack上の有料購読者数は現在約150万人で、2年前の約30万人から5倍にも拡大。この2年間で、年間100万ドル(約1億4900万円)以上の収益をSubstackを通じて得るメディアの数は2つから10以上に増え、トップ10位のメディアの年間収益の合計額は2年前の800万ドル(約12億円)から2500万ドル(約37億円)規模にまで拡大したという。

日本ではニュースレターの配信プラットフォームではないが、メディアプラットフォームの「note」などを利用して、文章やイラスト、動画といったコンテンツを、有料または月額課金の「定期購読マガジン」として配信する人は増えているようだ。ただしnoteは、読者リストをコンテンツの送り手が確保し、その独立性を担保できるSubstackのような仕組みとは異なる。