フォーム機能のイメージ
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海外ではCalendlyが存在感、国内でも日程調整ツールが複数登場

サービスの正式ローンチから2年近くが経つが、その間にマーケット自体も大きく変化していると大山氏は話す。日本においてはまだまだ黎明期と言えそうだが、「調整アポ」や「TimeRex」、「eeasy」、「Jicoo」、「Tocaly」など日程調整における課題の解決を目指すサービスが増えてきた。

グローバルでは2022年9月にCalendlyが面接スケジュールの最適化を支援するPreludeを買収。同年6月にはNotionがビジネスカレンダーを展開するCronを買収するなど、関連するプレーヤーのM&Aも進み始めている状況だ。

「ビジネスカレンダーの領域はすでに飽和していると思われるかもしれませんが、実はそんなこともないんです。実際にMicrosoft 365やGoogle Workspaceは今だに年率で10%程度の成長を続けている。もちろんこの数値自体はカレンダーのみではなくグループウェア全体の話ではあるのですが、(GoogleカレンダーやOutlookといった)代表的なサービスでもそのような状況です」

「日程調整に限っても、これまでカレンダーでアナログに調整していたところから、ようやくツールを活用して日程調整をするという流れが少しずつ広がってきました。まだまだ黎明期ではありますが、(日程調整ツールの活用自体は)不可逆なトレンドであり、ポテンシャルも大きいのではないかと考えています」(大山氏)

Spir代表取締役の大山晋輔氏
Spir代表取締役の大山晋輔氏

Spirではチームプランを中心としたさらなる機能強化や海外展開に向けて、2月22日にプレシリーズAラウンドにてジャフコ グループとOne Capitalから5.5億円の資金調達を実施した。

日程調整ツールは「ものすごくディープテックなツールかと言えば、正直なところ、そうではないと思っています」と大山氏が話すように、単純な機能比較表ではツール同士で大きな差を作りにくい。だからこそ「細かいユーザー体験の磨き込みが重要で、自分も相手もストレスなくスムーズに日程調整ができる体験を実現していきたい」という。

Spirとしてはカレンダー自体の機能を発展させるような仕組みに加えて、営業管理ツールや採用管理システムなど「他社ツールとのインテグレーション(連携)」にも取り組む方針だ。

先日、筆者がSNSを眺めていると「日程調整ツールのURLをいきなり相手に送りつけるのはマナー違反か」といった議論を目にすることがあった。Spirも含めた日程調整ツールの運営企業にとって、「ツールの利便性や適切な使い方をどこまで周知していけるか」は今後のチャレンジになりそうだ。