
中学受験における2025年入試で大学付属校の人気が再燃した。その背景は、25年度の大学入試改革だ。難関私立大学付属の中高一貫校に入ることで、「出口=大学進学」の不安を払拭しようというわけだ。特集『わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校』の#17では、付属校にフォーカスし、青山学院を起点とした「プチ・サンデーショック」に見舞われた25年入試を詳しく分析する。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
付属校人気が再び上昇へ!
大学入試改革と「プチ・サンデーショック」の影響は
2025年入試の一つの特徴は、大学付属校の人気が復活したことだ。
「コロナ禍を機に男女別学の進学校志向が高まったことで、付属校人気が低下したが、25年入試で回帰した」と指摘するのは、首都圏模試センター教育研究所の北一成所長だ。
その背景にあるのは、中高一貫校の先に待ち構える「大学入試」への不安だ。25年1月に実施された大学入学共通テストは、22年度から導入された新課程(新学習指導要領)に基づく初めての試験で、新教科「情報」を加えた7教科21科目へと再編されるなど、大きく変更された。将来の大学進学における「出口の確実性」を重視する家庭が増加し、中学受験の段階で難関私立大学に進学できる付属校に人気が集まったというわけだ。
一方、四谷大塚情報本部の岩崎隆義本部長は「東京大学をはじめとする大学進学実績といった従来の指標だけで学校を選ばない家庭が増えている」と指摘する。付属校であれば、大学受験に時間を割かれることなく、「探究型学習」や「STEM教育」など中高6年間の学びに集中できるからだ。
例えば、直近25年入試と24年入試を比較すると、受験者数が増加した付属校は、難関私大グループ、MARCHの付属校だけにとどまらず、日本女子大学附属のように内部進学先の大学は難関といえないものの、理系特化型の入試を導入することで、受験者数が40%以上も増加した学校もある。
また、25年入試の大きなトピックは、2月2日が日曜日になることで発生した「プチ・サンデーショック」だ。MARCH付属校の中でも人気が高い青山学院が入試日を変更したことで、他の中高一貫校の受験者数が大きく増減したのだ。
次ページでは、早慶やMARCHなど首都圏の名門大付属校の受験者数の増減を詳しく分析するとともに、11年ぶりの「サンデーショック」に当たる26年入試における付属校入試を占う。