これまでBluAgeでは自社でエージェントを採用し、社内のメンバーでカナリーのユーザーに対応することが多かった。タッグを組む仲介会社のエージェントも参加してはいるものの、その数はまだまだ少ない。

今後事業をスケールさせていく上では、より多くの仲介会社を巻き込んでいく必要がある。そのために、社内で磨いてきたエージェント用のシステムに改良を加え、仲介会社向けのSaaSとして展開していくことも計画している。

佐々木氏によると、すでに複数の仲介業社からカナリーの仕組みについて問い合わせを受けているほか、一部の企業とはテスト版のプロダクトを試しながら要望のヒアリングも進めている段階とのこと。大手ほど課題感が強いそうで、BluAgeが彼らの「仲介業務におけるDX」を支えていくようなイメージだ。

管理会社と仲介会社との間のコミュニケーションも電話やFAXといったアナログなツールが使われていてここにも改善の余地がある。SaaSではそういった業務の効率化も視野に入っているという。


事業者向けのSaaSや売買物件の掲載など新たな試みも

今回調達した資金は開発面の強化と、エージェントを含めた人材採用の強化に用いる。引き続きアプリの改善には注力しつつも、事業者向けのプロダクトや不動産売買に関する新たな取り組みも進めていく予定だ。

売買については7月よりアプリ内において売買物件の情報掲載を始めた。まずはヤフーとの事業提携を通じて「Yahoo!不動産」が扱う約30万件の物件情報を掲載するアグリゲーションサイトのような位置付けでスタート。ゆくゆくは賃貸同様にエージェントをマッチングするモデルを取り入れていく方針だという。

中長期的にエージェントの数が増えていく中で「レビュー」機能がしっかりと機能するようになれば、ユーザーが事前に信頼できるエージェントを判断できるサービスとしての価値も大きくなるだろう。エージェント側の視点では良い顧客体験を提供した人がしっかりと評価されるようになり、新たな顧客を獲得できるという好循環が生まれるかもしれない。

「不動産仲介の領域はまだまだアナログな部分が多く効率化できる余地も十分にあります。これまでは管理業務の負荷が大きかった結果、最終的にユーザーにそのしわよせが行く構造にもなっていました。デジタル化によって現場の担当者をエンパワーし、生産性を高めていくことができれば、それがユーザー体験の向上にも繋がると考えています。まずは今回の資金調達を機にその流れをしっかりと作っていきたいです」(佐々木氏)