同サービスは賃貸物件を探しているユーザーの課題を解決するサービスだが、その裏側では仲介業務をデジタル化して生産性を高める要素もある。事業者の生産性が上がれば、最終的にはユーザーにより多くの価値を還元することにも繋がるという考え方だ。
BluAgeではその構想の実現に向けて、Angel Bridge、東大創業者の会応援ファンド、SMBCベンチャーキャピタル、個人投資家から約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。同社にとっては2018年12月にCoral Capital (旧500 Startups Japan)などから約7000万円を調達して以来のラウンドとなる。
部屋探しの無駄を排除、おとり物件を削減する仕組みも構築
カナリーはアプリ上で物件情報の検索から内見日時の予約までをスムーズにできるサービスだ。
物件の探し方自体は既存のサイトと大きな違いはないが、特徴的なのは希望の内見日時を申請するとエリアや日時などを軸に1人のエージェント(担当者)とマッチングされる点だ。アプリ上でエージェントと日程調整を行うことで、わざわざ店舗へ足を運ばずとも現地集合ですぐに内見ができるような体験を実現している。
これは従来と何が違うのか。たとえばポータルサイトなどを用いていくつか気になる物件の問い合わせをすると、複数の事業者から連絡が届く。そのため同じようなやりとりが各社ごとに発生して手間がかかるし、店舗への来店を求められることもある。中には“おとり物件”を使って来店を促すような悪質な業者も存在する。
このようなストレスを極力減らし、スムーズな部屋探しをサポートするのがカナリーのウリだ。ユーザーは担当エージェントとのみコミュニケーションを取れば良く、そのやり取りも基本的にアプリ上で完結する。内見は現地集合・現地解散。物件契約も好きな場所からテレビ電話で実施できるので、手続きのために来店する必要がない。
またカナリーにはおとり物件や重複物件を削減する仕組みもある。管理会社とのデータベース連携に加え、仲介会社が見ている業者向けのデータベースや関連するウェブサイトなどを参照することで「募集が終了している物件」や「同一物件」、おとりの可能性が高い物件を自動的に排除。最新で正しい物件情報だけを掲載するようにした。
「仲介会社の担当者は自ら管理会社のサイトなどを確認し物件の状況を把握した上で、手動で情報を更新しています。そのやり方ではどうしてもタイムラグが発生してしまうことがあるのですが、カナリーではそれを自動化することですぐに対応できる仕組みを作りました」