StockXでは“新規上場株”ならぬ“新規商品公開”という意味の「IPO(Initial Product Offering、Initial Public Offeringではない)」というコラボレーション企画を展開している。この企画ではスニーカーメーカーやファッションブランドが限定商品を用意し、StockXの仕組みを活かして、「メーカー希望小売価格」ではなく、StockX上での「市場価格」で販売する。5月にはNew BalanceおよびファッションブランドNo Vacancy Innとコラボレーションし、スニーカー「New Balance 650 x No Vacancy Inn」を販売した。
8月からはソーシャルメディアを活用したポップアップイベントの「DropX」を新たに展開している。DropXは、ファッションデザイナーたちがStockXと共同開発した限定商品について紹介するライブ配信を行い、配信を最後まで見た視聴者だけがその商品を買えるというイベントだ。8月13日にはファッションデザイナーのキャリー・マンデン(Carri Munden)氏とリアム・ホッジス(Liam Hodges)氏がInstagramでライブ配信し、限定デザインのTシャツを販売した。StockXにとって、コラボレーションは今、特に重要だと言える状況だ。
「コロナ禍のため東京でパーティーは開催できませんが、世界中の人たちが楽しめるコンテンツを制作できる。私は“文化交流”に期待しています。日本のチームとは密に連携していきます」(バーリ氏)
そんなバーリ氏の希望に応えるのは、StockX Japanブランドマネージャーの山村氏だ。前職のレッドブル・ジャパンでは、マーケティング部でカルチャーマーケティングを総括。約30年、DJとして活躍してきた側面も持つ同氏は、音楽やストリートカルチャーのキーパーソンたちと広く交友関係を持つ。
「StockXでは設立当初から日本に目を向けていました。理由は、日本には世界的に有名で人気なデザイナーなどが多く存在するからです。特に渋谷・原宿は世界から注目されています。ここで過去に何が起きていたのか。今何が起こっているのか。発信していけるようにしたいです。デザイナーやアーティストとのコラボレーションは今後、絶対にやっていきたいと思っています」
山村氏は情報発信やコラボレーションに積極的な姿勢を見せる。