強みは国際的なネットワークによる豊富な在庫

StockX日本版は3月から日本語化を進め、6月に正式ローンチを発表した。大々的な発表は行わなかったが、日本でのユーザー登録数は(日本語化以前の)前年比で98%増加と好調だ。

StockX Japan統括のドーン氏は「コロナが世の中を取り巻くなか、あまり大々的にローンチを発表するべきではないと判断しました。それよりも、顧客体験を少しでも良くすることに注力しています」と語る。

「今は顧客が我々に何を求めているのかを見極める時です。米StockXが自国の顧客に提供しているような優れた体験を、日本の顧客に向けて提供していく必要があります」(ドーン氏)

StockX Japan統括のユイ・ドーン(Duy Doan)氏

StockX日本版が展開する前から、日本には「Monokabu(モノカブ)」、「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」、「KCKC(キクシー)」など、先行する競合サービスが生まれている。だが、ドーン氏は「市場を活性化させる上で競争は重要です」と話し、余裕を見せる。

「Monokabu、SNKRDUNKやKCKCは、各社でそれぞれ在庫を抱えています。一方で我々には国際的なネットワークがあり、圧倒的な在庫数がある。それが最大の強みです。スニーカーヘッズは、より豊富な選択肢の中からお気に入りを探し、購入できます」(ドーン氏)

「1人でも多くの日本のスニーカー好きたちが、気に入ったスニーカーを適正価格で購入できるようにすること」──ドーン氏はStockX Japanの目標についてそう話す。そのためにも、まずは顧客体験を最適化。そこからは、さまざまなコンテンツの制作やコラボレーションが視野にある。

「私は原宿のスニーカーショップを訪れるのが大好きです。しかし、リセールショップの店頭に並んでいるスニーカーの値段には根拠がなく、高額です。スニーカーを適正価格で販売し、日本のストリートカルチャーの素晴らしさを国内外に発信する。それが我々のミッションだと思っています」(ドーン氏)