特徴的なのが、アイテムごとに損益分岐点を超えているかどうかがひと目でわかる「勝ち負け表」を搭載していること。複数のカラーバリエーションが存在する商品であれば、色ごとにも「この商品が勝ったのか、負けたのか」を一瞬で把握できる。

BRANDIT systemではアイテムごとに勝ち負けがわかる
BRANDIT systemではアイテムごとに勝ち負けがわかるほか、チャネル別の粗利なども自動で算出される

「勝ちの到達日数」も見られるため、筋がいい商品であれば追加発注をするのもいいし、逆に負けてる商品は時期を見て値下げすることも視野に入れるべきかもしれない。そんな意思決定をするための“気づき”を与えてくれるのが、BRANDIT systemを使うメリットだという。

「今まではなんとなく感覚でやっていたことを、データをもとに論理的に打ち手を組み立てられるようなツールになっています。自分たちが大事にしているのが『気づきを得られるECシステム』であること。いろいろなポジション、視点で使っているユーザーの方に対して、どれだけ新しい気づきをもたらせるかを意識しながら開発を進めてきました」(鍛治氏)

利用料金は初期費用のほか、売上の11%が月額のシステム利用料として必要。倉庫を利用する際にはロジスティクスサービスの利用料が別途発生する。すでに1ブランドが導入しているほか、6ブランドで今後導入予定だという。

「攻めのEC」を実現する新しいアプリケーションも計画

鍛治氏はかつてサイバーエージェントなどのIT企業を経て、アパレルブランドを展開するMARK STYLERで働いていたことがある。

同社にはファッションや流行に詳しい反面、データや数字に抵抗があるメンバーも多く、売れている商品の分析をするにも「可愛いから売れている」という話になることも多かったそう。その時の経験を活かして、BRANDIT systemではビジネスライクな会話が苦手な人でも直感的にわかるUIや指標を考えながら開発を進めた。商品ごとの勝ち負けを◯と╳で示した勝ち負け表はその代表例だ。

前職のCandeeでも執行役員としてライブコマースやブランドビジネスを担当。BRANDIT systemには、鍛治氏の豊富なEC領域での経験や知見も反映されている。

今後はTRUNC 88に続くプライベートブランドの展開に加えて、BRANDIT systemの機能拡張も予定しているとのこと。すでに実装済みのECシステムや在庫管理システムだけでなく、マーケティングツールやカゴ落ち対策ツールなどのアプリケーションを増やし、ユーザーが好きなものを追加できるような仕組みを考えているという。