その道のエキスパートが候補者の見極めをサポート 

Pro-Checkの仕組み
Pro-Checkの仕組み

上述した通り、Pro-Checkはスタートアップの現役幹部やOBを中心とした各職種のプロフェッショナルに、採用候補者のレジュメチェックや面接代行を依頼できるサービスだ。

すでに現役のCFOやCTOといったCxO人材や上場企業の部門責任者、監査法人やPEファンド出身者など各職種のエキスパート人材が50人以上登録。彼ら彼女らが第三者の視点から候補者の見極めを行う。

利用フローとしては申し込みを行った後、Pro-Check運営側が各社の条件に合いそうなエキスパートの候補リストを抽出。そのリストを踏まえて実際にサポートをしてもらう人材を絞り込んでいく。レジュメチェックの場合はエキスパートが候補者のレジュメを確認して求人との相性をジャッジする。面接同席・面接代行の場合には、評価項目などをすり合わせるための事前面談を実施した後、実際の面接に進む形だ。

Pro-Checkでは「レジュメチェック」と「面接代行・同席」の2つのサービスを選べる
Pro-Checkでは「レジュメチェック」と「面接代行・同席」の2つのサービスを選べる レジュメのチェックのみを依頼する

レジュメチェックは1件1万円、面接代行は1件数万円で提供する計画。現在は企業とエキスパートのマッチング部分は運営側が人力で行っているが、近い将来スポットコンサルサービスの「ビザスク」のような形で、基本的に運営を介すことなく双方がウェブ上でマッチングする仕組みにアップデートしていく予定だという。

幹部人材採用におけるミスマッチの原因の解消へ

主な利用用途として想定しているのはアーリーステージのスタートアップにおける幹部人材の採用時だ。

たとえばビジネスサイド出身の経営者がCTOを新たに採用する際に、候補者の具体的な技術力を判断したい時。もしくは大企業のマーケティング部門で実績を残してきた候補者が、全くステージの異なる自社のCMOとしても活躍できるかを見極めたい時。そのように自分たちだけでは適切な見極めが困難である場合に、その道のプロの意見を聞けるサービスだと考えるとわかりやすい。

Professional Studioで代表取締役を務める市川龍太郎氏は、スタートアップで幹部人材採用時にミスマッチが生じる主な原因として「企業側に明確な基準がないこと」と「評価基準はあるものの候補者がそれを満たしているのかが判断できないこと」を挙げる。

特にCxO職などになると、そもそも企業側がそのポジションを担う人材にどのようなスキルや経験が必要になるかを細かく把握できていないことも珍しくないそう。評価基準がズレてしまうと必然的にミスマッチを誘発する可能性も増えてしまう。

また適切な基準は作れていても、候補者がそれを満たしているかどうかを見極めるのは簡単ではない。たとえば「外資系の投資銀行やPEファンド出身という経歴だけで、CFOとしてオファーを出してしまう」ということはよくありがちなのだという。結果としてエクイティファイナンスに関してはほぼ未経験の人をCFOとして採用してしまうと、お互いが不幸な状態に陥ってしまいかねない。