企業は多様な視点・経験からくるイノベーション創出・デジタルトランスフォーメーション促進や、女性従業員の人材育成、活躍推進への影響が期待できる。
「女性管理職の登用については、内部での育成が一番大事ですが、どうしても時間がかかりすぎてしまいます。また、企業の経営層も女性が働きやすく育ちやすい環境・文化をつくるために何かすべきであることは理解しているものの、何をすればいいかがわからない。であれば、経営層もしくは外部のアドバイザーにプロフェッショナルな女性を入れていった方が女性が活躍する環境・文化づくりは早く進むと思いました」(上原氏)
現場で活躍する「30〜40代の女性」にフォーカス
これまでは弁護士や会計士など“士業”の人や、50〜60代で大企業の取締役を歴任してきた人たちが社外取締役・アドバイザーに就任するケースはあったが、IT業界の最前線に立つ30〜40代が社外取締役・アドバイザーに就任するケースはあまり耳にしない。
「これまでは“人づて”でしか社外取締役・アドバイザーに参画するしかなく、どれくらい人脈を持っているかによって活躍の場が限定されていたんです。また、数々の企業で社外取締役を経験した人材に新たに社外取締役の就任を依頼しようとすると、年間で1000万円ほどの金額がかかってしまうため、企業はなかなか手が出せません」
「一方で30〜40代には社外取締役を経験したことはないけれど、実力持った人たちがたくさんいます。withwork executiveはその世代にフォーカスして企業に女性エグゼクティブを紹介する立ち位置にすることで、金額が抑えられます。そうすれば、企業も女性社外取締役の登用に踏み切りやすいのではないかと思いました」(松栄氏)
また、IT業界の現場で活躍しているからこそ、事業の運営を通じて培った知見を企業に還元できる。だからこそ、松栄氏は「企業のDXにも貢献できると思います」と語る。その点がwithwork executiveのユニークなポイントとなっている。
上原氏は、メルカリでブランディング戦略を手掛ける女性がアドバイザーのような立ち位置で静岡銀行で副業し、人事制度や人材教育、インターネットを活用した採用戦略などを教えているのが良い例と言い、「こうした事例を増やしていきたいです」と語る。
女性リーダーの新しいロールモデルを増やす
組織の上層部に女性が登用されることで、30〜40代よりも下の世代が目指す女性リーダーのロールモデルが増え、多様な価値観が受け入れられる土壌が育まれていく。