いずれは、あらゆる業界へMagicPriceを提供したいとしていた空だが、横展開には「もう少し時間が掛かると思っていました」と松村氏。「大きく、強制的な方針転換となりました」と語る。

「新しい業界にどんどんダイナミックプライシングのシステムを提供していかなければいけない。同じ指標、同じ分析モデルでいろいろな会社に対応するのは無理なので、カスタマイズ性を持ちつつ、スピード感を持って提供しなければならない。業界内でも戦略の違う企業をまたいで活用できる状態をつくらなければならない。となると、カスタマイズ性は高い状態ではあるけれども、同じプロダクトでサービスを提供する必要がありました。お題が先にあって、どうやったらできるのかというところからスタートして、黙々と開発を進め、完成形にはほど遠いかもしれませんが、第2のスタートラインへ、ひとまずはたどり着いたのかなと思っています」(松村氏)

ホテル業界のプライシングでは失敗体験も成功体験も数多くありながら、考え続けて5年がたったという松村氏。「ひとつの仮説として、新しい形をようやく自分たちもイメージできるようになってきました。再チャレンジしていくので、今後の発表に期待してください」と話を締めくくった。