EHangのドローンのデモ

こういったハイテク企業の活動を伝えるのは、中国で人気のライブコマースの延長ともいえる、ライブ技術だ。前述の中国南方網をはじめとしたウェブ・紙メディアは、テレビの放送網を持っていない。だが自社のライブチャンネルを通じて広州の状況を生中継して伝えている。中継には、ドローンを活用した動画も採用されている。

現在隔離地域では約18万人が生活している。普段であれば人間を運んでいた無人運転のバスが、ドローンが、タクシーが次々と隔離地域の市民を支えるために現場に投入されつつある。各種報道によると、自動運転バスを活用して1.4トンの米、2.9トンの食肉、16トンの野菜が隔離地域に運び込まれているという。

日本のテック業界では、中国でも深圳や北京などの事情に注目が集まりがちだ。広州はこれまで、自動車や設備機械など重厚長大な産業の印象も強かった。だがWeRideやEHangのように、日本人が知らない気鋭企業が、テクノロジーで人々の生活を支えつつある。